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★★★★★<5段階評価>


休暇を取って沖縄の「おかあさん」に会いに帰ってきたリョウ。
めったに里帰りしてこなかったリョウは今回はとことん親孝行しようと決め、観光ガイドをしている「おかあさん」と島内観光する。


有川さんには珍しく甘さひかえめ。
代わりに、リョウの家族の機微が切なかったりほろ苦かったり温かかったりと、ほんわかじんわりくる優しい作品。
歳を重ねるごとに涙腺が弱くなって、こういう家族の物語は特にグッとくる。

有川さんの作品は切なくて泣いちゃうものもたくさんあるけど、その切なさが優しい。

世の中にたくさんある物語の中には、ただただ理不尽だったり、登場人物がみんな悪人だったり、邪悪な人に翻弄されたり、やりきれなくて痛みが伴うものも多いでしょ。
そういう作品ももちろんいいんだけど、有川さんの必要以上に読者を傷つけない作風が好き。


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by wakabanokimochi | 2016-10-12 22:24 | 読書 | Trackback | Comments(0)

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★★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazon)---------
このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。
小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。
極限の選択を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、物語を紡ぎ続けた――。
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キュンキュン♪したいなら有川さん。
この作品はキュンキュンな甘さよりも切なさのが多め。

新潮文庫から出版されている『story seller』に収録されているside:Aと新たに書かれたside:Bの二つの物語が収められているんだけど、入れ子方式になっている面白い形態の作品。
物語の中で起きる悲しい出来事は結局どうなの!?悲しいの!?悲しくないの!?とヤキモキさせられて、有川ワールドに引きずり込まれてしまう。
そんなに長い作品ではないのですぐに読めて、なのにグッと心を掴まれる。


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by wakabanokimochi | 2016-04-29 21:05 | 読書 | Trackback | Comments(0)

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★★★★★<5段階評価>

自衛官の恋愛を描いた、有川ワールド全開の激甘短編集。
陸海空、自衛官同士、自衛官と民間人など、いろんなパターンの恋愛模様が6遍収められている。
有川さんの自衛隊三部作『海の底』の冬原さんの話、夏木さんの後日譚、『空の中』の光輝と高巳の後日譚もある。

ベッタベタであっまあま、チョコの上に生クリームをトッピングしてハチミツかけたくらいの激甘。
壁ドン(は無かったけど)・あごクイ・髪の毛クシュクシュ、読んでるこっちが照れ笑いしちゃうくらい。
こういうのを臆面もなく書けちゃうのが有川さんの素晴らしいところ。
突き抜けてる。

キュンキュンきちゃうのは、甘いだけじゃないところ。
時には1ヶ月以上も連絡が取れなくなる潜水艦乗りとの恋とか、自衛官だからと差別的な扱いを受けてうまくいかない恋とか、切なさも満載なのです。

小栗旬くん、綾野剛くん、菅田将暉くんといった今をときめく俳優さんでドラマ化してほしい。
ぜひ!


自衛隊三部作の感想もあります。
・塩の街 ・海の底
・空の中

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by wakabanokimochi | 2015-12-26 20:14 | 読書 | Trackback | Comments(0)

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★★★★<5段階評価>

日本の上空2万メートル地点で原因不明の航空機事故が相次ぐ。
航空機メーカーの技術者と航空自衛隊のパイロットの二人が事故調査の中心となって、原因究明と対策のために奔走する。
一方、四国の田舎町に住む高校生の瞬と幼なじみの佳江の二人もまた、この航空機事故事故に翻弄される。
上空2万メートルにある“秘密”とは?

自衛隊三部作の空自編。
恋愛要素は少なめだけど、有川さん特有の胸キュンポイントはもちろんある。
骨格部分は大胆なファンタジーなんだけど、自衛隊組織の描写などの肉付けの部分がリアルなので一切違和感を感じることなく読んだ。
キーとなる“秘密”の部分がすごく興味深くて面白かった。
それぞれが色々と抱えていて、その切なさとかやるせなさにグッときた。

メーカーの技術者が空自のパイロットに同行してF15に乗るシーンが、臨場感ある描写でワクワク・ドキドキして好き。
私も1回乗ってみたい!
たぶん吐くだろうけど。

作者のあとがきに、関係各者への感謝の言葉とともに「この作品を読んでくれてありがとう」という趣旨の言葉が書かれていたんだけど、「こちらこそ、こんなに面白い作品をいつも書いて下さってありがとうございます」と言いたいです。



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by wakabanokimochi | 2015-03-30 23:39 | 読書 | Trackback | Comments(4)

【塩の街 / 有川浩】

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★★★<5段階評価>

突如発生した“塩害”という謎の現象によって、日本だけでなく世界中の経済や流通、様々な機能が麻痺してしまう。
そんな非常事態の中で必死に生きようとする自衛官の男と一人の少女。
そして、彼らと関わる人々。
変わり果ててしまった世界の運命は?
そこに生きる人々の運命は?

自衛隊三部作の第一弾、有川さんのデビュー作。
自衛隊好きの有川さんが描く自衛隊組織や自衛官は、とにかくカッコイイ。
勇敢で強くてぶっきらぼうに優しくて。
そして、有川さん特有のマンガみたいにベタベタな登場人物とマンガみたいにベタベタな恋愛描写が、こっ恥ずかしくなるくらいベタなんだけど、ここまでくると潔くてキュンキュンしてしまう。
「ぶっきらぼうに頭をクシャッとする」
とか、萌えポイント満載。

もちろん、ただ萌えるだけの作品ではない。
2007年に書かれたものだけど、“塩害”という過酷な状況に翻弄される恋人たちや親子のドラマに、つい3.11を重ねてしまって胸が震えた。

絶望の中にもある光の部分が描かれていて心地いい。




【海の底 / 有川浩】


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★★★★<5段階評価>

米軍基地のある横須賀の街に、突如、巨大甲殻類の群れが押し寄せて人々を襲い始める。
桜まつりで賑わっていた基地周辺は逃げ惑う人々で大パニックになる。
事態の収拾のために機動隊が投入されるが、前代未聞の非常事態に苦戦する。
ちょうど横須賀港に停泊していた海上自衛隊の潜水艦『きりしお』の乗組員である冬原と夏木は、巨大甲殻類に追い詰められている子どもたちを見つけて共に『きりしお』の中に逃げ込む。

自衛隊三部作の海自編。
あらすじをざっと書くと、「ウルトラマンシリーズか!」とつっこみたくなるようなトンデモ設定に見えるかもしれないけど、各組織間の確執や警察や自衛隊の実情などがていねいに描かれていて、シリアスなエンタメ作品に仕上がっている。
自衛隊の出動に慎重すぎる官僚や米国に対して弱腰な日本政府といったリアルな日本の体質も描かれていて、読んでいて憤りが募る。
一方、孤立した潜水艦に逃げ込んだ自衛官と子どもたち側にも様々なドラマがあり、細やかな人間描写がなされていて、「武」の部分と「人」の部分の両方面白い。
胸キュンポイントはちょっと少なめ。



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by wakabanokimochi | 2015-03-27 21:38 | 読書 | Trackback | Comments(0)

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★★★★<5段階>

鍵尾の野良猫が、猫好きな一人の男と出会うところから物語は始まる。
人間観察力の優れたこの猫が主人公。
人間たちの目線で話が進む章もあるけど、基本的にはこの猫の目線と言葉で物語は進んでいく。

ちょっと、というかかなり、悲しい部分もあるんだけど、だけどすごく温かくて優しい作品。
号泣しちゃうけど読後感は爽やか。

物語の筋としてはありがちなストーリーかもしれないけど、猫と男の関係とか男と友達たちとの関係とかの肉付けに当たる部分が肉厚で面白い。
泣ける作品。
一般的に泣ける作品の中には、泣かそう泣かそうというあざとさが垣間見えて興ざめすることがしばしばだけど、これは素直に泣けた。


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by wakabanokimochi | 2014-12-26 15:41 | 読書 | Trackback | Comments(2)