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【映画】 斬、(ざん)




★★★<個人的好き嫌いを5段階で表示>


“なぜ人は人を斬るのか”の答えは正直わからなかったのですが、生と死の生々しさと、極限を生きる人が放つ強烈な色気みたいなものがスクリーンからほとばしっていて、この作品が鑑賞三本目だったこともあって久しぶりに映画酔いしてしまいました。
カメラがけっこう揺れたせいもあるとは思うんですが、画面の中の人たちのヒリヒリした気配にあてられた感じです。

それにしても、池松くんの色気は凄まじいです。
殺陣の姿も凛としていてかっこいい。
時代劇がものすごく似合います。
幼女のような無邪気さと年増女の色香が混在しているような蒼井優ちゃんも美しかったです。

体力があるときにもう一回観たいです。


◆作品データ → 映画.COM


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by wakabanokimochi | 2018-11-30 00:15 | 映画 | Trackback | Comments(0)



★★★★★<個人的好き嫌いを5段階で表示>


度肝を抜かれるスゴイ映画でした!
前のめりでスクリーンを凝視するほど作品の世界に引き込まれました。
観終わったあとに、続けて次の回も観ようかと思ったくらいです。
一週間まえにギックリ腰をしてしまって、長時間同じ姿勢でいるとまだ腰が痛いので今日は諦めましたが、近いうちにもう一回は必ず劇場で観たいです。

アナーキーでアバンギャルドでカオスでカッコイイ。
キューブリックやリンチの世界が好きな人の琴線に触れるタイプの作品だと思います。
身近なもので例えると、ヴィレッジ・ヴァンガードみたいな雰囲気。
あの色彩や手書きのポップやあのがちゃがちゃしている視覚的な感じもそうだし、美と醜、センスとナンセンスが混在しているあの感じとかも。

セックス・ピストルズの『アナーキー・イン・ザ・U.K』がメインテーマになっているけど、それがしっくりくるカッコよさ。
着物を着崩したファッションもオシャレ。

けっして万人受けする作品ではないけど、万人受けする作品なんてものを作ることなんてできないわけのだから、だったら、このくらいとんがっててもいいと思います。

原作の町田康さんの本は、このパンク侍ではないですけどひとつ読みかけたことがあったのですが、文体とか世界観がどうも合わなくて途中で断念しちゃったのです。
なぜ町田さんの作品が私に合わないか、今日映画を観てわかった気がします。
良くも悪くも平凡な私は、町田さんの文章でこの映像を頭に描けないからです。
良くも悪くも常識的な私は、頭の中でこの世界観を作り上げられません。
だから、読んでいて面白くなかったんだと思います。
こんな映像が作れるなんて、圧倒されます。

予告では、筋の通ったストーリーがあるように見えますが、いや、あるっちゃあるんですが、それよりも「とにかく映像と演出をまず楽しめ!」という作品です。
ストーリーを深読みしようと思えば、いくらでも深読みできます。
「現代社会への風刺」とか。
でも、そんな面倒臭いこと考えずに、とにかく五感で感じろ!と思考をねじ伏せられる感じが気持ちいいです。

それから!
綾野剛くんがいい!
『シュアリー・サムデイ』や『Mother』の頃から「この役者さん、好き!」って思っていたけど、間違いなかった!スゴイ役者さんだ……。
この映画の世界観を構築するには、綾野剛という役者が不可欠です。
妖艶さ、殺気、母性本能をくすぐる隙き、圧倒的な男前ぶり。
剛くんそのものが、混沌を内包している役者さんなのです。
だから、このカオスを作り上げるには剛くんが主演じゃなきゃ成立しない!というくらいハマってました。
この映画のために剛くんがいて、剛くんのためにこの映画がある、そう感じました。


◆作品データ → 映画.COM

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by wakabanokimochi | 2018-07-03 00:53 | 映画 | Trackback | Comments(0)



★★★★<5段階評価>


なるべくネタバレしないように書きます。

この作品を観た感想とか印象とかは、西洋文化圏の人、キリスト教徒、ただの日本人など、立場が変われば全然違ってくると思う。
日本のことをあまりよく知らない海外の人が観たら、日本はなんて野蛮な民族なんだと思うんじゃないだろうか。

タイトル通りとても静かな作品。
オープニングからエンディングまで、ほとんど音楽は流れなかったと思う。(音楽を聴いた記憶がないから全く流れなかったかも)
波の音と虫の声がとても印象的。

長崎での激しいキリスト教弾圧が描かれているのだけど、その悲惨さとか残酷さだけを伝えるための作品ではない。
人間にとって宗教とは何なのか。
ひどい弾圧を受けながらも信仰を続けた人々にとってのキリスト教とは何だったのか。
弾圧をした権力側にとってのキリスト教とは何だったのか、そして、何故、それほど厳しく弾圧したのか。
そんなことが混沌と渦巻いていて、観ているうちに、何が(誰が)正しくて何が(誰が)間違っていてどうするのが正解なのかわからなくなってくる。

拷問なんて絶対だめだし、宗教を理由に人を殺すなんて絶対だめなことは当然わかっているけど、だけどちょっとだけ、異国の宗教が広まっていくことに危機感を募らせる権力側の気持ちもわからなくないと思ってしまった。
異国の宗教(思想)が徐々に、しかも草の根的に広まっていくことは、他国に侵略されている感覚だったんじゃないだろうか。
有無を言わさず拷問したり手当たり次第にキリスト教徒たちを殺したりしたわけではなく、非道さの前に寛容さと慈悲の心もあったように感じた(ものすごく感じた)のは、私がキリスト教徒ではない上に日本人だからなのか。
こんな風に思ってしまうのは正しくないのか?とか、自分が今まで構築してきた価値観を揺さぶられるようで不安になり、ぐるぐるといつまでも思考が止まらない。

一番不寛容だったのは誰だったんだろう。




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by wakabanokimochi | 2017-02-09 00:40 | 映画 | Trackback | Comments(0)