2017年 01月 23日
【読書】 ぼぎわんが、来る / 澤村伊智
★★★★<5段階評価>
新婚の原田秀樹の周辺で不可解な出来事が起きる。
小学生だったあの日から漠然と抱えていた不安。
寝たきりだった祖父と留守番をしていたときの怖い体験。
痴呆だったはずの祖父はそのときはっきりと「ぼぎわんが、来る」と言った。
ぼぎわんとはなんなのか---。
『ずうのめ人形』を先に読んでしまったけど、こちらの方が処女作。
得体の知れないものがじわじわと迫ってきて、さらに太刀打ちできない感じがぞわぞわする。
さらに、人の心に溜まった黒い澱のようなものが制御不能になっていく様子も怖い。
『ずうのめ人形』もそうだったけど、単純なオカルト的なものが怖さの根源ではないところが面白い。
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