2016年 10月 12日
【読書】 アンマーとぼくら / 有川浩
★★★★★<5段階評価>
休暇を取って沖縄の「おかあさん」に会いに帰ってきたリョウ。
めったに里帰りしてこなかったリョウは今回はとことん親孝行しようと決め、観光ガイドをしている「おかあさん」と島内観光する。
有川さんには珍しく甘さひかえめ。
代わりに、リョウの家族の機微が切なかったりほろ苦かったり温かかったりと、ほんわかじんわりくる優しい作品。
歳を重ねるごとに涙腺が弱くなって、こういう家族の物語は特にグッとくる。
有川さんの作品は切なくて泣いちゃうものもたくさんあるけど、その切なさが優しい。
世の中にたくさんある物語の中には、ただただ理不尽だったり、登場人物がみんな悪人だったり、邪悪な人に翻弄されたり、やりきれなくて痛みが伴うものも多いでしょ。
そういう作品ももちろんいいんだけど、有川さんの必要以上に読者を傷つけない作風が好き。
<これまでの読書感想はこちら → 備忘録代わりの読書感想ブログ ワカバの本棚>