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【映画】 シン・ゴジラ



作品データ (映画.COM)

★★★★★<5段階評価>


ネット界隈に氾濫する大絶賛の声を見てすごく気になっていたのですが、やっと観てきました!
大絶賛の嵐のわけがわかりました、これは面白い!
とにかくスゴイ!とにかく素晴らしい!
「これを観ずして何を観る!?」というくらい面白い作品です。
度肝を抜かれました!

私は過去のゴジラ作品は(ハリウッドのも含め)1作も観たことがなくて、元々パニック映画(大嵐が都市を襲うとか、ボルケーノが都市を飲み込むとか、エイリアンが人類を滅ぼしに来るとか)も好きじゃありません。
そんな私でもこの『シン・ゴジラ』は面白かった!
というか、この作品はそんなパニック映画でもないし、ただの怪獣映画でもありません。

「ゴジラかぁ~。怪獣が街を壊す映画でしょ。┐(´д`)┌」
と思ったら大間違い!
そんな単純な映画ではないのです。

この作品の世界は、円谷英二が生まれなかった日本です。
ということは、そもそもウルトラマンや大怪獣という概念がない世界です。
なので作品の中の人々は、突如現れた巨大生物を前にうろたえるしかありません。

東日本大震災や原発事故がテーマになっていると巷で言われていますが、まさに、「今、首都である東京が未曾有の大災害に襲われたら人々はどう動き、政府はどういう対応をするのか」というシミュレーション映画であり、ドキュメンタリーのような作りになっています。
キャッチコピーが『現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)』ですが、“ゴジラ”以外は全て現実に起こりうることと思わせるほどの圧倒的リアリティがスゴイのです。

この作品に強烈に魅せられる人がいる理由はさまざまあると思いますが、まず、この圧倒的リアリティがあるということ。
ゴジラが出現したときの政治家たちのすっとぼけた感じ、危機感が募るにつれて緊迫する政治家や官僚たちの言動、街の人々の反応、ビルや公共機関といった街のディテールの細かさ。
劇中で使っているパソコンにも細かいこだわりがあるとか。
作り手の思い入れがスゴイ。

あと、いくらでも深読みしたくなる作品であるということ。
エヴァンゲリオンを作った庵野監督だけあって、観たあとに語りたくなるんです。
「ゴジラは○○の象徴に違いない」とか「あの人のあのセリフはあの映画のオマージュだ」とか「あのシーンのあのこだわりっぷりがマニアック」とか「劇中でひとまずの解決したあとのあの世界はどうなったのか」とか。
この作品を観て刺激を受けた人たちがネット界隈で「あーだこーだ」言ってるのを見るのもまた面白い。

それから、聞き慣れない専門用語がバンバン出てくるのに特に説明するわけでもなく話がどんどん進んでいく感じとかの「わかる人だけわかればいい。とにかく雰囲気さえ伝われば」という開き直り感もいいし、必殺武器みたいなのは一切出なくて、現実にあるもので対処していく感じとかも、やけにリアルでいい。

万人受けする作品ではないのかもしれないけど、それさえも、この作品にときめいた人たちの自尊心みたいなものをくすぐるんだと思います。
私もその一人で、この作品を面白いと思えるタイプの人間で良かったな、これを面白いと思える感性の人間で得したなと思うのです。

とにかく、ゴジラ新作の話が出たときに庵野さんにオファーした東宝の人に感謝だし、あの脚本でOKを出した東宝のエライ人にも感謝だし、エンドロールを埋め尽くすほどの協賛と協力を取り付けるために奔走した人たちにも感謝です。

最低もう1回は絶対劇場で観たい。

【映画】 シン・ゴジラ_a0220528_2302672.jpg

【映画】 シン・ゴジラ_a0220528_2304179.png

by wakabanokimochi | 2016-08-25 23:05 | 映画 | Trackback | Comments(0)