ワカバノキモチ 朝暮日記 asakure.exblog.jp

趣味のことをいろいろと


by wakabanokimochi
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【映画】 怒り



◆公式サイト → http://www.ikari-movie.com/
◆作品データ → (映画.COM)

★★★★★<5段階評価>


観ている間中、いろいろな感情が次々と溢れ出てきて、終始心をかき乱された。
胸の奥にグイッと小さな棘を突き刺されたようで、観終わったあともこの作品のことを考えずにはいられない、そんなチクチクしたものが残る。
とてもいい作品、好きな作品です。
ただ、けっして気持ちのいい映画ではないので、観る前にある程度の心構えは必要。

殺人事件の犯人は誰なのか?というサスペンスの要素はあるけれど、「信じることの難しさ」「人を愛するとはどういうことなのか」といったことがメインテーマの人間ドラマ。

※ 以下ネタバレあり




文章にまとめようと丸一日頑張ったけどまとめきれなかったので、感想や考察を箇条書きで連ねます。

◆◆◆
愛する人だから信じたいのに愛しているからこそ疑ってしまう、信じきれなかった自分に対する怒り。
信じていた人に裏切られた怒り。
信じて欲しかった人から疑われた悲しみ。

◆◆◆
映画の終盤、信じきれなかった自分に対する怒りで慟哭する登場人物たちを見て感じたのは、信じ抜く強さって心の強さなのかもということ。
心の芯の強さ、傷つく覚悟の強さとも言い換えられるかな。
結局、相手の言動うんぬんではなくて、自分の芯がどれだけ強いかということなのだと思う。
それは“信じないこと”でも言えることで、「愛したなら無条件に信じろ」ということではなくて、信じないと決めたならそれにも同じくらいの覚悟が必要だということ。
中途半端に信じるから傷つくし、中途半端に疑うから誰かを傷つける。
そんなことをグルグルと考えていたら、信じるってどういうことだっけ?と、なんだか自分でもわからなくなってきた。

もうひとつ、怒りで慟哭する登場人物たちを見て感じたのは、“信じる”のはとても難しいのに、“怒り”という感情がたやすく人の心を支配する怖さ。

◆◆◆
登場人物それぞれが何らかの怒りを抱えながらも、それを押し殺して、あるいは諦めて、あるいは見ないふりをして生きている。
観ている側も似たようなものを抱えていて、100%ではないにせよ登場人物の誰かに共感できる。
ただ唯一、殺人事件の犯人だけは、観客が共感できない稚拙で身勝手な怒りを爆発させる。
この、誰も共感できない(しにくい)“怒り”がストーリーの発端となって、観客も共感できる“怒り”が生まれていく。

◆◆◆
監督の言いたいことは、優馬(妻夫木聡)と直人(綾野剛)の東京パートで言葉にされていると思う。
このパートで語られるセリフは優馬たちだけでなく、千葉パートや沖縄パートにも通じるものがある。

病気で入院している優馬の母親が息子を戒めるように言う、
「大事なモノが多すぎる。大事なモノは少なくなっていくものなのよ」
という言葉。
優馬は笑いながら聞いているが、結局、一番大事にするべきものを大事にできなかったせいで後悔することになる。
自分の母親を献身的に看病してくれた直人に「葬式には出ないでくれ」という優馬の弱さ。
それを言われたときの直人の悲しみを思うと胸が痛い。

一番大事にすべきだったのは、千葉パートの洋平(渡辺謙)にとっては娘の幸せだっただろうし、愛子(宮崎あおい)にとっては田代(松山ケンイチ)だったはず。
沖縄パートの辰哉のとっては泉(広瀬すず)そのもので、泉にとっては辰哉だった。

だけどそれぞれの人物が、世間体や諦めの気持ちや自分の憤りなどを優先させてしまって一番大事なものを大切にできない。
そのあとに訪れるのは共通して“後悔の念”。

◆◆◆
ほかにも印象に残ったセリフをひとつ。

直人に「葬式に来ないでくれ」と言った優馬は「直人のことを同級生や同僚にどう説明していいかわからないから」と言うんだけど、そのときの直人の、
「わかろうとしない人にはどんなに説明してもわからないよ」
というセリフ。
とても共感できるので、心の中で思わず「そう!そう!」と叫んでしまった。

私自身、この直人のセリフと同じ思いを心の片隅に留めているつもりなんだけど、ついつい、わかろうとしない人にもわかってもらいたくて一生懸命説明してしまうという悪い癖がある。
案の定、やっぱりわかってもらえなくて、結果として徒労感と自己嫌悪だけしか残らなくて、その度に「聞かされる方も面倒臭いだろうから、もう熱く語るのはやめよう」と心に誓うのにまた語ってしまう。
だから、直人のセリフに過剰に反応してしまった。
(そして、そう言いながらもまたこんなに長い感想ブログを書いてしまう学習能力のない私。)

この直人のセリフも全パートに掛かっている。

発達障害(であろう)娘を男手ひとりで育てる苦労を周りはわからずに好き勝手噂話をする、と鬱屈した思いを抱く洋平。
愛子は、田代を信じる気持ちをお父さんも周りの人もどうせわかってくれないと諦めている。
理不尽な暴力で傷つけられた自分の怒りや悔しさは、どうせ言っても誰もわかってくれないから自分ひとりでかかえるしかないと怒る泉。
そして辰哉は、泉を守れなかったという深い自己嫌悪をわかってくれていると思っていた田中(森山未來)が、実はそうではなかったことを知って怒りを爆発させる。

それぞれのそんな思いをわかってくれる人もちゃんと存在するのに、わかってくれないことの憤りが湧いてしまう苦悩。
共感しすぎて苦しくなる。

◆◆◆
登場人物の中の誰かを通して自分自身を客観的に見せられているような居心地の悪さを感じさせる作品で、だからいつまでもこんなにこの映画のことを考えてしまうんだと思う。
映画を見終わってからずっと心の中で自問自答している気がする。
私にとっては、ちょっと大げさかもしれないけど人生のキーになる作品かもしれない。

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by wakabanokimochi | 2016-10-19 23:53 | 映画 | Trackback | Comments(0)


作品データ → (映画.COM)

★★★<5段階評価>


友達のリクエストで一緒に観に行った。
たまにはこういう、ただただ楽しむ映画もいい♪
山田くんは佇まいがいいなぁ。カッコイイ。
剛くんもかっこよかった。(〃▽〃)

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by wakabanokimochi | 2016-10-04 15:13 | 映画 | Trackback | Comments(0)

【映画】 聲の形



作品データ → (映画.COM)


★★★★★<5段階評価>


『マンガ大賞』や『このマンガがすごい!』で話題となった人気コミックが原作。

私は原作は未読で、ほとんど前情報を入れないで鑑賞した。
知っていたのは、聴覚障害がある女の子と、初めて接した聴覚障害者に戸惑う男の子が主人公っていうことだけ。
ほんわかしたした可愛らしい絵なので、この二人の恋愛物語なのだろうと、ほんわかした優しい(あるいは切ない)映画なのだろうと軽い気持ちで観に行ったら、予想に反して重くて苦しい作品だった。

結論から言うと、すごく素晴らしくてすごくいい映画。
心に突き刺さる強烈な感情を与えてくれた傑作。

ほんわかした映画だと勝手に思っていたせいで心構えができていなかったので、無防備な心がごっそりとえぐられた。

いい作品(映画だけじゃなく小説やマンガなども含めて)には、面白さや感動で心が満たされるタイプのものと、心に響きすぎたり現実を直視させられて心がえぐられるタイプのものがあるけど、これは、私にとっては後者。

人が持つ、残酷さ・無関心さ・甘え・弱さ・怯えといった黒い部分と、優しさ・強さ・温かさといった明るい部分、とにかく人の持つ様々な面を容赦なく目の前に突きつけてくるまっすぐな作品。
私はその黒い部分の方にばかり目がいって自分の黒さも再確認させられたし、黒い感情で傷ついたり傷つけたりしたことも思い出すし(中学の時に仲間はずれにされたこととか、小学校のときに友達を裏切ったこととか)、そういう具体的な思い出とは別に心の奥をチクチク刺してくるし、終始、感情をかき乱された。

物語に触れるとき、自分の心の状態次第で受ける印象や得られる感動は変わってくると思う。
ポジティブモードのときは前向きに感動して、ネガティブモードのときは悲観的に感じる。
今の私の状態は、この映画は苦しくて痛いものだったみたい。

それほど気持ちを揺さぶってくる、すごくいい映画。


聲の形 公式サイト → http://koenokatachi-movie.com/

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by wakabanokimochi | 2016-09-29 21:32 | 映画 | Trackback | Comments(0)

【映画】 君の名は。



作品データ → (映画.COM)

★★★★<5段階評価>


面白い!
ネタバレになっちゃうのでいろいろは書けないけど、新海さんらしい切なさと新海さんらしくないエンタメ要素が入り混じって面白い!
いいシーンで歌詞のある曲がドーンと流れるのが私は少し邪魔に感じたけど、これはもう好き嫌いの問題なので面白さとは別の問題。

新海さん独特の風景の美しさに見惚れた。
あとキャラクターたちもかわいい。

「観ようかな~、どうしようかな~」と気になっているなら絶対観た方がいい。

君の名は。公式サイト → http://www.kiminona.com/index.html
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by wakabanokimochi | 2016-09-16 22:43 | 映画 | Trackback | Comments(0)

【映画】 シン・ゴジラ



作品データ (映画.COM)

★★★★★<5段階評価>


ネット界隈に氾濫する大絶賛の声を見てすごく気になっていたのですが、やっと観てきました!
大絶賛の嵐のわけがわかりました、これは面白い!
とにかくスゴイ!とにかく素晴らしい!
「これを観ずして何を観る!?」というくらい面白い作品です。
度肝を抜かれました!

私は過去のゴジラ作品は(ハリウッドのも含め)1作も観たことがなくて、元々パニック映画(大嵐が都市を襲うとか、ボルケーノが都市を飲み込むとか、エイリアンが人類を滅ぼしに来るとか)も好きじゃありません。
そんな私でもこの『シン・ゴジラ』は面白かった!
というか、この作品はそんなパニック映画でもないし、ただの怪獣映画でもありません。

「ゴジラかぁ~。怪獣が街を壊す映画でしょ。┐(´д`)┌」
と思ったら大間違い!
そんな単純な映画ではないのです。

この作品の世界は、円谷英二が生まれなかった日本です。
ということは、そもそもウルトラマンや大怪獣という概念がない世界です。
なので作品の中の人々は、突如現れた巨大生物を前にうろたえるしかありません。

東日本大震災や原発事故がテーマになっていると巷で言われていますが、まさに、「今、首都である東京が未曾有の大災害に襲われたら人々はどう動き、政府はどういう対応をするのか」というシミュレーション映画であり、ドキュメンタリーのような作りになっています。
キャッチコピーが『現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)』ですが、“ゴジラ”以外は全て現実に起こりうることと思わせるほどの圧倒的リアリティがスゴイのです。

この作品に強烈に魅せられる人がいる理由はさまざまあると思いますが、まず、この圧倒的リアリティがあるということ。
ゴジラが出現したときの政治家たちのすっとぼけた感じ、危機感が募るにつれて緊迫する政治家や官僚たちの言動、街の人々の反応、ビルや公共機関といった街のディテールの細かさ。
劇中で使っているパソコンにも細かいこだわりがあるとか。
作り手の思い入れがスゴイ。

あと、いくらでも深読みしたくなる作品であるということ。
エヴァンゲリオンを作った庵野監督だけあって、観たあとに語りたくなるんです。
「ゴジラは○○の象徴に違いない」とか「あの人のあのセリフはあの映画のオマージュだ」とか「あのシーンのあのこだわりっぷりがマニアック」とか「劇中でひとまずの解決したあとのあの世界はどうなったのか」とか。
この作品を観て刺激を受けた人たちがネット界隈で「あーだこーだ」言ってるのを見るのもまた面白い。

それから、聞き慣れない専門用語がバンバン出てくるのに特に説明するわけでもなく話がどんどん進んでいく感じとかの「わかる人だけわかればいい。とにかく雰囲気さえ伝われば」という開き直り感もいいし、必殺武器みたいなのは一切出なくて、現実にあるもので対処していく感じとかも、やけにリアルでいい。

万人受けする作品ではないのかもしれないけど、それさえも、この作品にときめいた人たちの自尊心みたいなものをくすぐるんだと思います。
私もその一人で、この作品を面白いと思えるタイプの人間で良かったな、これを面白いと思える感性の人間で得したなと思うのです。

とにかく、ゴジラ新作の話が出たときに庵野さんにオファーした東宝の人に感謝だし、あの脚本でOKを出した東宝のエライ人にも感謝だし、エンドロールを埋め尽くすほどの協賛と協力を取り付けるために奔走した人たちにも感謝です。

最低もう1回は絶対劇場で観たい。

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by wakabanokimochi | 2016-08-25 23:05 | 映画 | Trackback | Comments(0)

【映画】 追憶の森



作品データ (映画.COM) → http://eiga.com/movie/82197/


★★★★★<5段階評価>


※核心には触れてないけど多少のネタバレはあるかも。


思いつめた表情の男は、アメリカから飛行機に乗り電車やタクシーを乗り継いで富士山の麓の青木ヶ原樹海を訪れる。
立入禁止のロープをくぐり、森の奥へ奥へと進んでいく男。
生きた人間の気配など感じさせないほど深くまで入り込んだとき、森の中をさまよう日本人男性と出くわす。


とても神秘的な作品。

悲しいんだけど悲しいだけじゃないし、後悔に溢れているんだけどそれだけでもない。
救いがたい絶望も確かにあるけど、希望もちゃんとある。

観る人の感覚やそのときの心の在りようによって解釈も感じ方も変わると思う。
まるで抽象画のよう。

昨今、説明過多で「はい、泣くところ。はい、笑うところ。」と感情を指図される作品が多くなってきたけど、この映画は余計な説明が一切ない。
主人公のアメリカ人男性に起こったことを、過去の出来事も織り交ぜながら淡々と見せていくだけ。
解釈も感情も観る側に委ねられるので、その分心を揺さぶられて、私は大好きな作品。

冒頭の主人公の思いつめた表情は自殺を連想させるけど、森に入っていく彼は首吊り用のロープを持っているわけでもなく、睡眠薬のような物を飲もうとするシーンでも、ガサッと一気に手のひらに出すものの一錠ずつ飲んでいく。
それらの彼の行動が私には、死にたいんじゃなくて救われたいんだろうなって感じた。

積極的に“死にたい”わけではなく“生きていたくない”という思い。
“救われる”ことが“死ぬこと”ならばそれも受け入れようという、消極的な死。
迷い込んだら出られない深い森が彼の心の象徴に思える。

ただ、その森も、自殺の名所であるのに恐ろしげではなく、最初から最後までとても美しく神秘的に見せているのが印象的。
その美しい森の風景を見ていると、やはり“自殺”のようなネガティブな感覚ではなく、絶望の中にも見出すことができる明るい光、みたいなものを感じることができる。


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by wakabanokimochi | 2016-05-13 00:18 | 映画 | Trackback | Comments(0)

【映画】 ズートピア



作品データ (映画.COM) → http://eiga.com/movie/81260/

★★★★★<5段階評価>

作品紹介(映画.COMより)------
どんな動物も快適な暮らしができる環境が整えられた世界。
各々の動物たちには決められた役割があり、農場でニンジン作りに従事するのがウサギの務めだったが、ウサギの女の子ジュディは、サイやゾウ、カバといった大きくて強い動物だけがなれる警察官に憧れていた。
警察学校をトップの成績で卒業し、史上初のウサギの警察官として希望に胸を膨らませて大都会ズートピアにやってきたジュディだったが、スイギュウの署長ボゴは、そんなジュディの能力を認めてくれない。
なんとかして認められようと奮闘するジュディは、キツネの詐欺師ニックと出会い、ひょんなことからニックとともにカワウソの行方不明事件を追うことになるのだが……。
--------------

※ 核心には触れてないけど多少のネタバレはあるかも

またディズニーに名作が生まれた!

ウサギやキツネやたくさんの動物達が活躍する、子供向けのかわいいアニメーションかと思いきや、人種差別や民族差別に対するメッセージが込められた社会派な作品だった。
ただ、もちろんそこはディズニー、堅苦しさなど一切ない、子供も大人も楽しめるエンターテイメント作品。
そのバランスがうまいな~と思う。
けっこうガッツリ社会派なのに、それを感じさせないうまさ。

「肉食獣も草食獣も一緒に快適に暮らせる世界」というのを「当たり前の大前提ではない」としたところがスゴイ。
例えば、アンパンマンの世界はパンの妖精(?)や動物たちやジャムおじさんたちが仲良く暮らしていて当たり前の世界でしょ。
それを大前提として観ることで成立する面白さでしょ。
ズートピアは違う。
動物たちが進化して、凶暴で野蛮な野生を捨てて(抑えこんで、あるいは乗り越えて)すべての動物たちが仲良く共存することを選んだ世界。
知性と理性で自分たち(動物たち)が作り上げた世界である、というのがこの作品の肝。
作品の冒頭、子供のジュディが学芸会のお芝居で、動物たちの進化の過程と自分の将来の夢を発表するというシーンがあるんだけど、これが、この作品の世界観をさりげなく、だけどガッツリと観客に説明するシーンになっている。
この、違和感なく作品の世界に引きずり込む巧みさがスゴイ。

「すべての動物が快適に暮らせる楽園」と言いながら、実は肉食獣と草食獣の間には確執があって、そのことで馬鹿にされたりいじめられたりといった現実がある。
弱くて小さなウサギであるジュディがズートピア初の警察官であることは、組織のマイノリティ(女性が活躍しにくい職場とか)の象徴であるし、ずるくて嘘つきなイメージのキツネのニックが詐欺師として生きていることも、ある特定の民族や人種に対する先入観の象徴になっている。
そんなことを考えながら観ていると「なるほど、草食獣がアレの象徴で肉食獣がアレの象徴なのね~、ふむふむ」と思うのだけど、だんだん、「うん?逆か?」と思えてきたりして、とにかく奥が深い。

あと、かわいらしいジュディが無自覚に差別的な発言をして、そのことでニックが傷ついて、だけど天真爛漫なジュディはニックがなぜ傷ついているのかわからなくてという、日常的にある潜在的な問題点もきちんと描かれてる。

そんな小難しいことは抜きにしても、動物たちの愛らしさやストーリー展開だけでとても楽しめる。
擬人化した動物なのに、顔の表情や目の演技が素晴らしくて、特にキツネのニックのちょっとやさぐれてるけど芯は優しいいい男っぷりにキュンとなる。
あと、ダンサーのトラたちの顔つきが微妙に違う細かさとかに感嘆する。
それとカメラワークの素晴らしさ。
3Dではないのに、ジェットコースターに乗っているようなお腹の奥がズーンとする感覚になったり、物が飛んでくるときに避けそうになったり、臨場感溢れる演出も見どころ。
こういう、細部にまでこだわってこだわってこだわり抜くスタッフの情熱と技術力が見られるのもディズニーアニメーションの醍醐味。

いろいろ語ったけど、とにかく面白い!
子供も十分に楽しめる大人向けのアクション・エンターテイメント!
少なくとももう1回は劇場で観たい!

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by wakabanokimochi | 2016-05-09 23:27 | 映画 | Trackback | Comments(0)

【映画】 アーロと少年



映画データ (映画.COM)

★★★★<5段階評価>

作品紹介(映画.COMより)------
巨大隕石の墜落による恐竜絶滅が起こらなかったらという仮説に基づき、恐竜が地上で唯一言葉を話す種族として存在している世界を舞台に、弱虫の恐竜アーロが、孤独な人間の少年スポットとの冒険を通して成長していく姿を描いたピクサー・アニメーション。
--------------

まず、真っ先に思うのは、大自然の風景を描いたCGアニメがとにかく素晴らしい!
静かに流れる川面とそこに揺れる光。
大雨で濁流と化した激しい川の流れ。
風にそよぐ木々。
紅葉した葉の輝き。
“ギザギザ山”と名付けられた山の山頂で雪が風に吹かれて旗のように流れる様子は、マッターホルンのよう。
大自然をあそこまでリアルに描ききるピクサーの技術力と執念に圧倒される。
本編の前に流れるほかの映画の予告編に『インデペンデンス・デイ』があったんだけど、こちらのCGはまるでアニメみたいで、実写映画とアニメ映画で逆転現象が起きてるなと感じました。
この実写みたいな風景だけでも見る価値アリです。

ストーリーそのものは王道のものです。
気の弱い恐竜のアーロがひょんなことから家族と離れ離れになり、人間の子供スポットと一緒に自分の家を目指す冒険物語。
途中でぶち当たる様々な困難を乗り越えていくうちに、弱虫だったアーロは強く成長していく。
そして、アーロとスポットの間に生まれる種族を越えた絆。
これだけ王道なのに、最後まで飽きさせることなくずーっとハラハラ・ワクワクさせられっぱなしです。

単純明快であったかい気持ちに包まれる、とてもステキな作品です。

それと、本編前に上映される短編アニメも秀逸。
この10分くらいの作品に泣かされてしまった。

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by wakabanokimochi | 2016-04-12 23:33 | 映画 | Trackback | Comments(0)


映画データ (映画.COM)

★★<5段階評価>

作品紹介----------
ヒマラヤ山脈を望むネパールの首都カトマンズで、山岳カメラマンの深町誠が発見した1台の古いカメラ。
そのカメラは、イギリスの登山家ジョージ・マロリーが、1942年6月8日にエベレスト初登頂に成功したのか否かという、登山史上最大の謎を解く可能性を秘めたものだった。
カメラの過去を追う深町は、その過程で、かつて天才クライマーと呼ばれながらも、無謀で他人を顧みないやり方のために孤立した伝説のアルピニスト・羽生丈二と出会う。
深町は羽生の過去を調べるうちに、羽生という男の生きざまにいつしか飲み込まれていく。
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原作は未読なので、純粋にこの映画を観た感想になります。
ネタバレ、少しあります。

登山に興味のない人が観たら。
人生を投げ打ってまでエヴェレストにこだわってしまう感覚とかが伝わりにくいんじゃないかと思う。
羽生さん(阿部寛)が山に取り憑かれた天才クライマーという描写はあるけど、クライマックスの、山男の熱い想いみたいなものが、山に興味のない人には暑苦しいだけに見えてしまわないかと感じた。

登山知識がある人が観たら。
羽生さんや深町さん(岡田准一)がエヴェレストにアタックする後半シーンにいくつか見られるリアリティのなさが気になってしまうんじゃないかと思う。
映画なんだし、エンタメ作品なんだし、そんな細かいことを気にするのは野暮っていう思いもあるんだけど、少しだけ気になってしまった。
羽生さんが挑もうとする前人未到の挑戦に、羽生さんほどの技術はないと思われる深町さんが何の準備もなく同行することに無理があるとか、足手まといになるであろう深町さんの同行を許す羽生さんとか。
エヴェレストなのにわりと軽装で、しかも深町さんは思いつきで登ることを決めた感じが否めなくて、そのせいで、山男たちがエヴェレストに感じている畏怖や敬意や憧れみたいなものが希薄になってしまっているのが残念。
羽生さんが無謀な挑戦をしているというのが表現しきれていない。
それと、ベースキャンプで二人の帰りを待つ尾野真千子さんが天候が荒れ始めたエヴェレストに向かって言う「何人の命を奪えば気が済むんですか!?なんでこんな目に会わなくちゃいけないんですか!?」ってセリフも気になった。。
エヴェレストからしてみたら、勝手に登ってきて勝手に死んでいくだけなんで、とても違和感を感じるセリフだなぁと。
山に興味はないけど待つ身、としては言いたくなるのかもだけど。

原作未読の人が観たら。
登場人物の心境の変化についていけなくて、展開が唐突に見える。
おそらく原作ではもっと深く濃厚に人物像が描かれているんだろうけど、それを映画では描ききれていないのでそう見えるんだと思う。

原作を知っている人が観たら。
私は未読だけど、大ベストセラーだし山岳小説の金字塔と言われる作品なんだからきっとかなり面白い小説なんだと思う。
それを2時間の映画に収めるのは無理があるよ~って感じちゃうんじゃないかな。
かなりの描写がはぶかれているだろうから。

結果、人間ドラマとしても中途半端だし、山岳映画としても中途半端になってしまった印象。
圧倒的に時間が少なすぎたと思う。
だけど、この映画を観たおかげで俄然原作が読みたくなった。

カトマンズの雑多な雰囲気とか、エヴェレストの美しさとか、山に魅了された羽生さんの迫力とかはすごくよかった。
山男二人の熱い想いにグッとくるシーンもある。
山に登りたくなった。

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by wakabanokimochi | 2016-04-12 13:18 | 映画 | Trackback | Comments(0)

【映画】 オデッセイ



作品データ → 映画.COM

★★★★★<5段階評価>

火星探査をしていたマーク(マッド・デイモン)は、事故のために火星に一人取り残される。
31日分の食料しかなく、次に探査機が火星に来るのは4年後。
そんな絶望的な状況の中、マークは生き延びるためのサバイバルを開始する。


コミック『宇宙兄弟』が大好きな私。
宇宙飛行士になるためには頭脳明晰なのはもちろん、性格やストレス耐性も選考基準になり、試験に合格してからもさまざまな訓練を受ける。
ジェット機の操縦訓練、サバイバル訓練、たくさんのマシンや機械の操縦訓練、想定外の非常事態が起きたときに冷静に対処する訓練。
長い期間訓練を受けても実際に宇宙に行けるのは一握りの人だけ。
宇宙飛行士とはとてもタフで常人離れした人たちなのです。

そんな予備知識があったから、この映画の予告編を見たときに絶対観たいと思ったんだけど、案の定すごく面白い作品でした。

火星に一人で取り残されるという最悪な状況だけど、それほど悲壮感はありません。
むしろすごく前向き。
クスッと笑うところもたくさんあります。
科学の知識を総動員させて目の前の問題をひとつひとつ解決していく様子に爽快感さえ感じます。
素人目には荒唐無稽に見えることも(宇宙で作物を育てるとか)、おそらく科学の目で見れば理にかなっていて、そういうことが随所にあって面白いです。

人は“知らないこと”で恐怖心を抱きます。
例えば、パソコンの使い方がわからないから壊しそうで触るのが怖いとか、配線がゴチャゴチャしたところは電気がビリっときそうで怖いとか。
だけど、知識があれば科学的根拠にもとづいて無用な恐怖心はなくなる。
常々そう思っているけど、この映画はそのことを改めて感じました。
壊れた居住空間をビニールシートで修理するくだりや、壊れた宇宙服のヘルメットをガムテープで補修するくだりがあって、「宇宙なのにそんな簡易的で大丈夫かよ!?」って思っちゃうんだけど、理屈としては空気さえ漏れなきゃ大丈夫なんですよね。
正しい科学を理解することって、宇宙じゃなくても、日常生活でも大事だよな~と思いました。

あと、地球にいる科学者たちや技術者たちが専門知識と専門技術を駆使してマーク帰還のために奔走する様子も感動的。
小惑星探査機・はやぶさの帰還のときにも感じたことだけど、トラブルが起きたときにみんなが一丸となるさま、発想の転換で解決を模索するさまが好きです。
最終的にすごくアナログだったりする感じも。

とにかく、痛快なエンタメ作品です。

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by wakabanokimochi | 2016-02-26 00:58 | 映画 | Trackback | Comments(0)