ワカバノキモチ 朝暮日記 asakure.exblog.jp

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by wakabanokimochi
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★★★<5段階評価>


あらすじ(Amazonより)

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。
御行姿の男、垢抜けた女、初老の商人、そして、なにやら顔色の悪い僧―。
長雨の一夜を、江戸で流行りの百物語で明かすことになったのだが…。
闇に葬られる事件の決着を金で請け負う御行一味。
その裏世界に、百介は足を踏み入れてゆく。
小豆洗い、舞首、柳女―彼らが操るあやかしの姿は、人間の深き業への裁きか、弔いか―。
世の理と、人の情がやるせない、物語の奇術師が放つ、妖怪時代小説、シリーズ第一弾。

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絵師・竹原春泉が描いた妖怪になぞらえて、闇の一味が悪に制裁を加えるという必殺仕事人系の作品。
7篇の短篇集で読みやすい。
制裁を加えられる側にもそちら側の道理(正しいか正しくないかは別として)があり、勧善懲悪のような単純なものではなくて面白い。

憎しみ・怒り・嫉妬・恐れといった、人の心から生まれる強い負の思いが面妖なものを生じさせ存在させる。
全体的に陰鬱でモノクロなイメージで、独特の雰囲気を醸し出している。
昔放送されていた「日本昔ばなし」の怖い系の画みたいな作品、と言えば、ある一定以上の年令の人には伝わるかな。



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by wakabanokimochi | 2015-03-26 00:07 | 読書 | Trackback | Comments(0)
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★★★<5段階評価>


明治25年。
江戸の世から明治へと大きな変革を遂げて、日本という国が一気に近代化へと進みつつある時代。
東京のはずれのあばら屋に家族から離れ一人暮らす高遠は、異様な佇まいの「弔堂」という古本屋を見つける。
店の佇まい同様、一風変わったここの主人は、「読まれない本は死蔵であり、墓である。そんな本たちを弔うためにこの本屋をやっている」と言う。
時代のうねりの中で迷っている人に生きるヒントとなる本を読んでもらうことで、その本を成仏させようとする。

この古本屋にやってくる人たちが歴史的に有名な人物で、史実とフィクションを絡めているのが面白い。
短篇集の形ではあるんだけど、やってくる客たちが変わるだけなので長編のように感じられて読み応えは十分だった。
主人が語る本に関する自説が哲学めいていて、主人も仙人のようで好き。

特に4つ目の「贖罪」が好きだった。
切なかった。
客であるこの人(ネタバレしないように名前は言わないけど、明治維新の立役者の影に隠れて結構切ない最期を遂げた人)のことを歴史ドラマで見て好きになっちゃったので、この人に対する主人の言葉に心が震えた。

シリーズ化されるのかな?
もっと読みたい。



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by wakabanokimochi | 2015-01-31 02:40 | 読書 | Trackback | Comments(0)