2016年 08月 22日
【読書】 とっぴんぱらりの風太郎 / 万城目学
★★★★★<5段階評価>
天下は徳川の時代となり、世は泰平になりつつある。
忍びとして育てられた風太郎は、あるしくじりのせいで伊賀を追い出され、京の端のあばら屋に隠れるように暮らし始める。
忍びに戻りたいという希望を捨てきれずにその日暮らしをしている風太郎は、次々と厄介な出来事に巻き込まれることになる。
そんな折、世間に再び戦の空気が漂い始め、大坂の陣が勃発する。
この作品を読むのは2回目。
万城目作品の中で、というか、今まで読んだ本の中でかなり上位に来るくらい好きな作品。
2回めでもやっぱりハラハラしたし、ワクワクしたし、ちょっと泣いた。
面白い物語は、読み進めていて残りのページ数が少なくなってくると、「読み終わりたくない!終わるのが名残惜しい!」という衝動にかられるんだけど、この作品はまさにそう。
この物語の中にずっとトリップしていたい。
750ページに近い大長編だから、この本の実物を見ちゃうとたじろいでしまうほど分厚いけど、ストーリーが素晴らしいから長さを感じさせない。
痛快なアクションから始まり、追放されながらも平穏な風太郎の日々、万城目作品お決まりの神様だか妖精だか、とにかくこの世のものではないものの登場、風太郎が関わる人物たちが抱える過去と葛藤とそして決意、そして怒涛のアクションシーンは映画だったら大量の火薬とVFXを駆使するようなド迫力。
アクションエンターテイメントであり、人間ドラマでもある。
その塩梅が素晴らしい。
すごく映像向きの作品なのでぜひ映画化してほしい。
前編・後編の二部作で。
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↓↓実写映画化のキャストを考えてみた↓↓
チョイ役でも大物をキャスティングしてみた♪
妄想、楽しい♪
【監督】 大友啓史
代表作
・るろうに剣心
・NHK大河ドラマ「龍馬伝」
<伊賀の人物>
【風太郎】 忍びとして育てられた伊賀を追い出され、京でその日暮らしをしている。
菅田将暉
【黒弓】 正式な伊賀の忍びではないが風太郎と組んで仕事をする仲間。
神木隆之介
【蝉左右衛門】 伊賀の忍び。風太郎とは犬猿の仲。
柳楽優弥
【百市】 伊賀の忍び。美人だがずる賢い。色気を武器にする。
夏帆
【采女】 伊賀の忍びの頭。忍びを駒としか思わない冷酷な考えの持ち主。
リリー・フランキー
【義左衛門】 伊賀の元忍び。追放された風太郎を不憫に思う。
ピエール・瀧
【藤堂高虎】 伊賀上野の城主。
香川照之
<京の人物>
【瓢六】 京都・清水寺の麓でひょうたん屋を営む。
笹野高史
【芥下】 瓢六のひょうたん屋で働く娘。
岸井ゆきの
【常世】 伊賀の忍び。美人。が、その裏の顔は…。
波留
【ねね様】 豊臣秀吉の正室。
高畑淳子
【ひさご様】 世間知らずの公家の子息。が、実は…。
荒川良々
【左門】 ねね様の護衛で剣の達人。
新井浩文
【残菊】 京にのさばる月次組の頭。残忍で残虐。
綾野剛
【琵琶】 月次組の副頭領。
青木崇高
【柳竹】 月次組。祇園祭での件で常世を恨んでいる。
吹越満