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【読書】 戦雲の夢 / 司馬遼太郎

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★★★★<5段階評価>

戦国時代に土佐の国を治めていた長宗我部元親の息子・盛親の、家督を継ぐ直前から大坂の陣までの半生記を描いた作品。

長宗我部家については、四国を治めた人、くらいの知識しかなかったので先の展開が全然読めず、おかげで最後まで面白く読みました。
歴史に疎いと歴史物をネタバレなしで読めるのでちょっとお得です。

戦国時代の物語はどの武将目線で見てもドラマティックで面白い。
駆け引き、心理戦、陰謀、裏切り。
どんなことをしてでも覇者になろうとする野望や自分の家や国を守ろうとする真っ直ぐさが、煩悩にまみれた“欲”というよりは、どちらかというと“夢”を追い求めた男たちという風に私には見えて、だから彼らの生き様に魅せられてしまいます。

盛親の場合は、この“欲”があまりなかったせいでうまくいかなかったのですが、戦国武将としては弱腰と言われた彼の優しい感じがとても魅力的です。

そして、この時代の武将の潔さと豪傑さがまたカッコイイ。
盛親のセリフではないけど、とある武将が「この戦に負けたらどうする?」と問われて、「腹を切れば済むこと」と答えるシーンにカッコよさが凝縮されていると感じます。

司馬作品は初めてだったけど、もっとほかのも読んでみようと思います。


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by wakabanokimochi | 2016-04-02 19:01 | 読書 | Trackback | Comments(0)