2015年 08月 17日
【読書】 絶唱 / 湊かなえ
★★★★★<5段階評価>
帯より--------------------------
喪失と再生。これは人生の物語。
死は悲しむべきものじゃない---。
南の島の、その人は言った。
心を取り戻すために、
約束を果たすために、
逃げ出すために。
忘れられないあの日のために。
別れを受け止めるために。
「死」に打ちのめされた彼女たちが
秘密を抱えたまま辿り着いた場所は、
太平洋に浮かぶ島---。
-----------------------------------------------------------
阪神淡路大震災で被災した経験を持つ4人の女性の喪失と再生の物語。
湊さんの作品はえげつない絶望感に満ちたものしか読んだことなくて、今回もそんな作品なのかと思い手に取ってみたら全然違った。
絶望ややるせなさもあるけど、きちんと希望の光で満たしてくれる優しい作品。
湊さんは昔、海外青年協力隊で働いていたことがあったらしく、さらに淡路島に住んでいる(住んでいた?)ようなので、彼女の実体験が反映された作品なのかもしれない。
ノンフィクションに近いのかもと思ったら、読後は余計にグッとくる。
人はなかなかまっすぐ、真正直には生きられない。
間違いも犯す。
失敗もする。
悩みや後悔を抱える。
絶望したりもする。
そんなときに出会った人の言葉や行動で劇的に人生が変わったりもする。
絶望に囚われてしまった状態から抜け出すのは難しくて、もがけばもがくほど深みにはまってしまうけど、ひょんなきっかけで抜け出せたりする。
4人の女性の喪失と再生の様子と、彼女らを大きく包む人物の温かさに、読んでいる私も優しいものをもらった気がする。
<これまでの読書感想はこちら → 備忘録代わりの読書感想ブログ ワカバの本棚>
悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない――南の島の、その人は言った。心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? 〝喪失〞から、物語は生まれる...... more
ドキドキしながら読む作品ではないけど、一気に読んでしまえました。
この著者の本が好きで読んでいるのですが、
今回の作品には特に希望を感じました。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
コメントありがとうございます。
湊かなえさんは、どちらかというと絶望的で人の闇の部分が描かれていることが多いと思うのですが、この作品は、藍色さんが言われるように希望的でしたね。
私も一気に読みました。